返品した access Virus Ti2 Polar に想う事

先日残念ながら返品する事にした access Virus TI2 Polar(以下Polar)。僅かな時間をともにして感じた事を簡単にレビュー。

 結論から言うと、access Virus Ti2 Polarは素晴らしい商品でした。初めて知った2009年当時から、トータルインテグレーションという考え方は先進的な発想だったし、2017年の今もなおソフトウェアをアップデートし続けるメーカーの姿勢はとても共感できる。何よりウォールナットの木製パーツを盛り込みながら、往年のアナログシンセ然とした古くささは皆無、北欧家具の様な、常に手元においておきたくなるモノとしての完成度もたまらない魅力。

 鍵盤は37鍵(3オクターブ)という絶妙なバランス。フレーズや白玉を入力するのはもちろん、ソロ演奏にも応えられる37鍵というチョイスは大正解。そしてキータッチは弾きやすいセミウェイト鍵盤。昔使ってたKORG TRINITYにはYAMAHA製のFS鍵盤が与えられていたけれど、押し始めのコクンという若干の抵抗からストンと落ちる弾き心地は、TRINITYを彷彿とさせる癖になるフィーリング。kyo5884さんのBlogではおそらくファタール製との事なので、なるほど確かにこれはいい鍵盤だなーと感じました。

 Polarを選んだメインの理由は、長く向き合えるハードシンセが欲しいというモノでしたが、普段はDAWのMIDIキーボードとして使う事が殆ど。だからこそ、Polarの弱点に気づいたのも事実。『Virus TIというハードウェア・シンセサイザーを、あたかもプラグインであるかのように使用できないか、という発想』─そう。今なお輝き続ける素晴らしい先見性だと思うし、とくにライブにも持ち運んで使いまくる様な人には手放せない機能に違いない。ただ時代はアナログシンセの再ブーム到来中。宅録中心の人間にとっては、Polarがアナログモデリングシンセである以上、ソフトウェア音源となんら大きな違いが見いだせなくなってきた。そのままの品質で行えるとは言え、直接オーディオにバウンスするにもストリーミング。ここもハードの枠を超えられていない。

 例えば今求められるとしたら、MIDIキーボードとして一通りの求められる内容を持ちながら、DAWからプラグインとして呼び出せる能力をもつアナログシンセなのではなかろうか。近い商品としてElektron Analog Keysがある。デザインが無骨なのがなぁ。

 ちなみに、ピッチベンドとモジュレーション操作はホイールではなく、個人的にジョイスティックの方が好み。でも今現在ジョイスティックを採用しているメーカーはKORGのハイエンドシンセかRolandくらいなんですよね。Polarはホイールでしたが、そこら辺のMIDIキーボードのそれではなく、しっとりとして安心感ある操作していて非常に心地よいものでした。場所がキーボード横じゃないのは使いづらかったですが。あ…Elektron Analog Keysはジョイスティックだ(汗

 今回返品の要因となったパネル印字漏れ。これ自体には何ら不満はありませんでしたが、これによりaccess製シンセの日本におけるサポート体制が、現状満足のいくものとはいえない状況である事を目の当たりにしました。残念ながら今のKORG体制下では望めないかもしれません。Webサイトも前代理店のまま、2012年で更新も止まってますしね。

 交換品が届くのを待つ事もできたけれど、そもそもPolarはシンセとしては30万する高級品。この価格でこの保証品質はないよなぁ…と。メーカーや製品としては愛すべきものだっただけに、泣く泣く返品を決意した次第。人でも会社でも同じ様に、長くつきあっていくって、何かと難しいのかも知れません _(:3」∠)_

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